2017/10/11 環境科学科
10月6日,環境保全セミナーの第2回として,京都大学霊長類研究所の辻 大和さんをお招きし,「熱帯地域でのフィールドワーク―インドネシアの野生動物の生態調査」についてご講演いただきました。
辻さんの調査対象である木の葉を食べるサル―ジャワルトン―は,果実や葉をめぐってカニクイザルとけんかすること(競争),葉を落とすことで,木の下にいるルサジカが食料を得られること(共生:落穂ひろい),果実を食べて離れた場所で糞をすることで樹木の移動に貢献していること(種子散布)などを通じて,他の生物と関係を築いているということを,多くのグラフや映像資料をもとに紹介いただきました。
紹介いただいたグラフの作成過程を聞いてみると,なんと,5本以上もある棒グラフの1本1本が,それぞれ100時間を超える観察から得られたデータということでした。わかりやすいグラフの裏には,調査者の努力があることも気づけたセミナーでした。
環境保全セミナーでは、今後も、環境保全に関わる研究者や実務家の方をお招きして、最新のお話をいただきます。
人間環境大学の学生だけでなく、他大学の学生、高校生、一般の方どなたでもご参加いただけます。次回は11月に開催予定です。詳細が決まりましたら、フェイスブックでも告知いたしますので、興味のある方は、「いいね」を押してくださいね。
環境科学科 立脇隆文
ご講演いただいた辻大和さん
講演の様子
ジャワルトンの生態について写真や動画でわかりやすく紹介してくださいました