フィールドリサーチセンター
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2014年4月
「自然誌次世代リーダーの育成事業」開始
本年度より,名古屋大学博物館・名古屋大学大学院環境学研究科が主体となって,総合力を有した国際人材を育成するための事業「自然誌次世代リーダーの育成事業」を5年間に渡って実施することになりました.本事業にはフィールドリサーチセンターも主体的に関わり,自然・環境・資源・歴史等を包括的に理解する「自然誌」の教育を日本とモンゴルにて行い(モンゴル科学技術大学,モンゴル国立大学,モンゴル健康科学大学との大学間協定も活用),アジアにおける環境や資源,生態移民など国境を越えた課題に対処できる知識と力をもった我が国の次世代リーダーを育成することを目的としています.今年度から2年間は,修士課程の学生を対象とした「研修サブプログラム」を実施し,日本・モンゴルの学生を対象に,日本での講義と共にモンゴルでの実地研修を行っていきます(モンゴルでの実地研修ではフィールドリサーチセンターが拠点).再来年度から3年間は更に,博士課程の学生を対象とした「交換留学サブプログラム」を実施します.
2014年3月2日〜12日
「モンゴル春季研修」
名古屋大学の博士課程教育リーディングプログラム「PhDプロフェッショナル登龍門」の「モンゴル春季研修」が,2013年3月の研修に続いて,2014年3月2日から12日にかけてモンゴル・ウランバートル市で行われました.「PhDプロフェッショナル登龍門」履修生のうち8名がこの研修に参加しました.またモンゴル側からはモンゴル科学技術大学とモンゴル国立大学の合計8名の学生もこの研修に一緒に参加しました.4日から7日にかけては,学生たちはウランバートル市内各所(80地点)から雪のサンプルを採取し,フィールドリサーチセンターの機器を活用して大気汚染の状況を分析しました.最終日(11日)には学生たちはウランバートルの大気汚染状況の分析結果を発表し,どのように大気汚染をコントロールするか,モンゴル政府や市民への可能な提案について議論しました.
開講式(3月3日)
分析サンプル準備(3月4日,5日)
イオンクロマトグラフィー分析(3月6日,7日)
SEM-EDS 分析(3月6日,7日)
報告会(3月11日)
2014年2月8日
「名古屋大学サイエンス&カルチャートーク in モンゴリア」
2月8日,モンゴル日本センター2階セミナー室で「名古屋大学サイエンス&カルチャートーク in モンゴリア」が開催されました.プログラム内のトークコーナーで,フィールドリサーチセンターの長谷川精特任助教が,「昔の気候・未来の気候:ゴビの恐竜の地層から何がわかる?」と題して,一般市民向けの講演をおこないました.モンゴルの様々な大学の学生,研究者,ウランバートル在住日本人など約50名が聴講しました.その他,トークの前には,名古屋大学の活動を紹介したり,子どものための科学入門コーナーを設けて科学入門キットに触れてもらったりしました.
長谷川特任助教によるトーク
[左] 子どものための科学入門コーナー [右] 名古屋大学の活動紹介
2014年1月
ネメフバヤル君 名古屋大学留学
フィールドリサーチセンターの教員のフィールド調査に同行したり,試料分析準備の手伝いをしてくれていた,モンゴル科学技術大学地質石油工学部の大学院生P. ネメフバヤル君が,名古屋大学大学院環境学研究科に留学しました.今年12月まで名古屋で研究する予定です.
2013年12月19日
イオンクロマトグラフィー設置
12月19日,分析機器室にイオンクロマトグラフィーを設置しました.導入した機器は,Thermo Fisher Scientific社のイオンクロマトグラフィーシステムDionex ICS-1600およびICS-2100です.この機器の活用により,名古屋大学がこれまで継続的に実施しているモンゴルでの環境調査(ウランバートル市の大気汚染に関する調査,鉱山地域の水質汚染の調査等)にさらなる成果の出ることが今後期待されます.
イオンクロマトグラフィーシステム
2013年10月7日〜15日
リーディング大学院「PhD プロフェッショナル登龍門」入校式・研修
名古屋大学が2012年11月から開始した,博士課程教育リーディングプログラム(通称リーディング大学院)「PhD プロフェッショナル登龍門」の入校式・研修が,モンゴル・ウランバートル市で,10月7日から15日にかけて開催されました.研修では,「PhD プロフェッショナル登龍門」の第1期生である22名の履修生が,清水武則・駐モンゴル日本国特命全権大使を始めとする各界のリーダーによる講義を受講したり,バガノール炭鉱,第4火力発電所を見学したりして,資源国として経済成長を続けているモンゴルの実情に触れました.14日には履修生による報告会がおこなわれ,モンゴルの今後の持続的な発展のためにどのような産業が必要かを,4つの班に分かれて議論した結果を発表しました.なお,「PhD プロフェッショナル登龍門」入校式がおこなわれた10日には,名古屋大学教育学部附属高校・新モンゴル高校姉妹校協定調印式,名古屋大学モンゴル事務所設立準備室開室式も合同で行われ,モンゴルでの名古屋大学のさらなる活動展開に礎が築かれました.
[左] 名古屋大学モンゴル合同行事(10月10日) 濱口・名古屋大学総長 挨拶,
[右] 清水・駐モンゴル日本国特命全権大使 挨拶
「PhD プロフェッショナル登龍門」履修生代表 宣誓
[左] 名古屋大学教育学部附属高校・新モンゴル高校 姉妹校協定調印式,
[右] 名古屋大学モンゴル事務所設立準備室 開室式
「PhD プロフェッショナル登龍門」研修 報告会(10月14日)
2013年10月9日
濱口道成・名古屋大学総長 フィールドリサーチセンター視察
モンゴル訪問中の濱口道成・名古屋大学総長が,10月9日,モンゴル科学技術大学のオチルバト学長を表敬訪問した後,同大学内に設置されている,フィールドリサーチセンターを視察しました.フィールドリサーチセンターの長谷川精・特任助教が,分析機器室等を案内して,センターの活動状況や設置されている分析機器について解説し,濱口総長は,名古屋大学のモンゴルにおける拠点のひとつであるフィールドリサーチセンターが順調に活動を続けていることを確認されました.
濱口・名古屋大学総長,オチルバト・モンゴル科学技術大学学長 表敬訪問
フィールドリサーチセンター視察
モンゴル科学技術大学 地質学・鉱物資源博物館 見学
2013年6月〜8月
夏のフィールド調査
夏季に、名古屋大学博物館の教員を中心とした調査隊が、フィールドリサーチセンターを拠点にフィールド調査を行いました。束田和弘准教授と長谷川精特任助教がオルホン県、ボルガン県にて鉱物資源調査(6/22-28)を、大路樹生教授と長谷川特任助教がゴビアルタイ県にて古生物学的調査(7/10-20)を、また長谷川特任助教と茨城大学の安藤寿男教授、早稲田大学の太田亨准教授がドルノゴビ県にて古気候学的調査(8/19-28)を実施しました。
ドルノゴビ県にて古気候学的調査・ボーリング掘削の様子(8/19-28)
2013年7月30日
名古屋大学教育学部附属高校生 フィールドリサーチセンター訪問
ウランバートルにある新モンゴル高校の生徒との間でテレビ会議システムを使った交流を続けてきた名古屋大学教育学部附属高等学校の生徒の有志9名が、7月25日から8月3日にかけてモンゴルを訪れ、7月30日にはフィールドリサーチセンターを訪問しました。メンバーは束田和弘センター長補佐および長谷川精特任助教から、実際の分析の様子を見ながら、フィールドリサーチセンターの業務や分析機器についての説明を受けました。その後、高校生たちは、モンゴル科学技術大学内にある地質学・鉱物資源博物館も訪問し、モンゴルで産出する様々な鉱物の展示を見学しました。
[左] フィールドリサーチセンター分析機器室での束田センター長補佐の説明、
[右] モンゴル科学技術大学地質学・鉱物資源博物館前で
2013年7月1日〜5日、25日〜31日
モンゴル科学技術大学日本語学科学生 翻訳・通訳実習
7月に2週間にわたり、モンゴル科学技術大学言語教育学部技術専門通訳クラス(日本語学科)の3年生1名がフィールドリサーチセンターにて翻訳・通訳実習をおこないました。実習では、分析サンプル前処理を実際に経験したり、書類作成を補助したりしました。
実習風景
2013年6月11日〜16日
モンゴル科学技術大学バトバヤル学長代行 名古屋大学訪問
6月11日から16日にかけて、モンゴル科学技術大学から、バトバヤル学長代行、バトチョローン上席副学長、バトバータル国際協力部長の3名が名古屋大学を訪問し、両大学間の交流のさらなる拡大について話し合いました。名古屋大学訪問時におこなわれた中日新聞のインタビューで、バトバヤル学長代行は、フィールドリサーチセンターの設置により「研究者や学生の教育の質が以前よりも高くなってきた」と述べています。
2013年3月19日〜29日
リーディング大学院「PhD プロフェッショナル登龍門」モンゴル研修
名古屋大学が2012年11月から開始した、博士課程教育リーディングプログラム(通称リーディング大学院)「PhD プロフェッショナル登龍門」の試行研修が、3月19日から29日にかけて、モンゴルで実施されました。名古屋大学の様々な大学院から修士、博士後期課程の学生14名が参加しました。参加者は、モンゴル科学技術大学とモンゴル国立大学からの学生合わせて13名とともに、5つの班に分かれて、フィールドリサーチセンターを拠点としたフィールドワークおよび化学分析や、討論会、報告会などを行いました。22日から25日にかけてのフィールドワークおよび化学分析では、モンゴルにおける大気汚染が環境に与える影響を調査するため、名古屋大学博物館、名古屋大学大学院環境学研究科およびモンゴル科学技術大学の教員の指導を受けて、ウランバートル市内各所の雪サンプルを採取し、そのサンプルをフィールドリサーチセンターの分析機器を用いて分析し、サンプル中の大気汚染物質について調べました。研修の最終日である28日には、それまでの研修成果の仕上げとして報告会が行われ、班ごとに、フィールドワークおよび化学分析の結果を踏まえて環境調査の結果やモンゴル政府への提言などを発表し、討論しました。
テレルジ付近での集合写真
[左] ガイダンス(20日)、 [右] 雪サンプル採取(22日、23日)
[左] 雪サンプル試料処理(22日、23日)、 [右] SEM-EDS分析(24日、25日)
報告会(28日)
2013年3月12日〜14日
ホンゴル郡における有害物質中毒事件に関する環境調査(日本法センターとの共同調査)
3月12日から14日にかけて、名古屋大学日本法教育研究センター(以下、日本法センター)と共同で、ダルハンオール県ホンゴル郡における有害物質中毒事件に関する環境調査を実施しました。調査は日本法センターの学生(5年生)を中心として行われ、日本法センターの教員(澤田宗佑特任講師,池森久美子特任講師)、フィールドリサーチセンターの長谷川精特任助教、モンゴル科学技術大学の教員・学生も参加しました。この事件は、2007年にモンゴルのダルハンオール県ホンゴル郡で、違法な鉱業活動により水銀やシアン化ナトリウムといった有害物質が工場から排出され、周辺住民が健康・財産的被害を被ったものです。3日間の調査では、住民へのアンケート調査や住民・関係者へのインタビューを行いました。また現場周辺の土壌・植物サンプルの採取を行い、フィールドリサーチセンターにてSEM-EDS分析なども行いました。これらの調査結果をもとに、3月21日に日本法センター主催で「ホンゴル郡事例において、今後、行政はどのような対応を採るべきか」をテーマとして、環境法講義、環境調査発表、討論会がおこなわれました。リーディング大学院「PhD プロフェッショナル登龍門」モンゴル試行研修でウランバートルを訪れていた名古屋大学大学院生14名も、講義・発表を聞き、討論会に加わりました。また、6月10日には「ホンゴル郡における有害物質中毒事件に関する環境調査報告」と題して、日本法センター5年生の卒業研究発表会が行われました。
ホンゴル郡での環境調査時の集合写真
2012年12月25日
「名古屋大学博物館報告・第28号」刊行
名古屋大学博物館が年1回発行している『名古屋大学博物館報告』に、モンゴルに関係する9編の論文が掲載されました。半数は、フィールドリサーチセンターを拠点にしておこなわれたフィールド調査の成果をまとめたものです。さらに、フィールドリサーチセンターが設置されているモンゴル科学技術大学地質石油工学部の教員からの投稿や、モンゴル科学技術大学地質学・鉱物資源博物館所蔵資料も展示された、名古屋大学博物館の特別展「大モンゴル展」についての記録・報告が掲載されました。
『名古屋大学博物館報告・第28号』http://www.num.nagoya-u.ac.jp/outline/report.html
"Stratigraphy and geological structure of the Paleozoic system around Ulaanbaatar, Mongolia" (Makoto TAKEUCHI et al.)
"Geological division of the rocks at southeast of Ulaanbaatar (Gachuurt-Nalaikh), central Mongolia" (Yuki NAKANE et al.)
"Description of sandstones in the Ulaanbaatar area, Mongolia" (Toshiya SUZUKI et al.)
"Description of a NW trending brittle shear zone, Ulaanbaatar, Mongolia" (Bakhat NURAMKHAAN et al.)
"Origin of the Early Mesozoic Bogd Uul granite pluton, Ulaanbaatar area, Mongolia" (Khishigsuren SODNOM et al.)
2012年11月1日
リーディング大学院「PhD プロフェッショナル登龍門」開始
名古屋大学が申請していた博士課程教育リーディングプログラム(通称リーディング大学院)、「PhD プロフェッショナル登龍門」が採択され、11月1日から開始しました。本プログラムでは、1年次夏・プログラムへの参加当初に、フロンティア・アジア諸国の現実を体験してもらうことを目的として、約1 週間の現地研修を実施する予定です。本年度はその試行として、モンゴルでの実地研修が行われます(3/19〜29)。
実地研修プログラムでは、名古屋大学博物館・大学院環境学研究科教員の指導を受け、名古屋大学フィールドリサーチセンターを拠点として、モンゴルにおける大気汚染が環境に与える影響を調査するためのフィールドワーク(主として雪氷の採集・分析)を行ないます。また環境政策に関するワークショップに参加し、科学的分析の結果が政策決定へと反映されるプロセスや、環境をめぐる紛争の現状を学びます。またモンゴル国立大学内に設置された名古屋大学日本法教育研究センターを訪問し、フロンティア・アジア諸国における教育の現状や、体制転換国に対する法整備支援の一環としての教育事業について学びます。名古屋大学から15 名の学生を募り、モンゴル科学技術大学およびモンゴル国立大学の学生約10名と共に、上記の実地研修を行う予定です。
2012年10月4日
富山大学・遠藤学長視察
モンゴル健康科学大学創立70 周年記念式典に出席するためモンゴルを訪問中の富山大学・遠藤俊郎学長が、フィールドリサーチセンターを視察されました。2011年6月に「モンゴル国における地質構造・鉱床成因・自然環境解析、人材育成および地質情報の基盤整備のための日本・モンゴル間の包括的な連携・協力に関する協力協定」を、富山大学はモンゴル科学技術大学との間で本学とともに締結しており、その際にも遠藤学長はセンターを視察されていますが、今回は、その後新たに設置された分析機器室をご覧になり、本学との間の研究協力の進展を確認されました。
2012年8月24日
加藤重治文部科学省国際統括官視察
東アジア地域ユネスコ国内委員会事務総長会議に参加するためモンゴルを訪問された加藤重治文部科学省国際統括官が、8月23日に日本法センター、24日にフィールドリサーチセンターを視察されました。実際の施設・設備見学や学生との交流を通して、本学の文系・理系2 つのセンターのモンゴルにおける活動について理解して頂きました。
2012年7〜9月
フィールド調査
夏季に、名古屋大学博物館、大学院環境学研究科の教員を中心とした調査隊が、フィールドリサーチセンターを拠点にフィールド調査を行いました。大路樹生教授がザウハン県、ゴビアルタイ県にて古生物学的調査(7/6-14)を、山本鋼志教授と束田和弘准教授がトゥヴ県にて環境総合調査(7/30-8/5)を、束田和弘准教授が南ゴビ県にて鉱物資源調査(8/14-20)とトゥヴ県の層序・構造調査(9/24)を、竹内誠教授と束田和弘准教授がウランバートル周辺の層序・構造調査(9/7-11)を、また長谷川精特任助教と茨城大学の安藤寿男教授がドンドゴビ県にて古気候学的調査(9/20-25)を実施しました。その他,新潟大学の栗原敏之准教授のナライハ周辺調査や,産業総合技術研究所の原英俊研究員の調査などのサポートをしました.
2012年6月4日〜15日
日本語学科学生翻訳・通訳実習
6月4日から15日にかけて、モンゴル科学技術大学言語教育学部技術専門通訳クラス(日本語学科)の3年生3 名がFRC にて翻訳・通訳実習を行いました。実習では、本年3月17日から8月31日までの間名古屋大学博物館で開催された「大モンゴル展」の展示内容を紹介するポスターをモンゴル語・日本語併記の形で作成し、学内の地質学・鉱物資源博物館入り口に掲示しました。
FRC 事務所での翻訳・通訳実習
2012年5月16日
教育文化科学省イベント
5月16日、FRC は、スフバートル広場にて開催された教育文化科学省主催イベント「オープン・デー」に参加しました。モンゴル科学技術大学地質・石油工学部が出展したテントで、FRC に設置されている電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズTM-1000)や岩石加工室についてポスターで紹介し、センターのパンフレットを配布しました。
スフバートル広場での教育文化科学省イベント
2012年4月17日〜24日
益川敏英・名古屋大学特別教授モンゴル訪問
益川敏英・名古屋大学特別教授が4月17日から24日までのあいだウランバートルを訪問し、講演、大学視察及び学生との交流を行いました。これは、日本とモンゴルの外交関係樹立40 周年を記念する主要行事の1 つとして、在モンゴル日本国大使館及びモンゴル国立大学からの招待を受けて行われたものです。20日にはフィールドリサーチセンターを訪問し、同センターの最新鋭の分析室の視察を行いました。
益川特別教授の FRC 分析機器室視察の様子
2012年2月
ICP-MS,XRF 設置
フィールドリサーチセンターに分析機器室を新設し、ICP-MS(誘導結合プラズマ質量分析装置、Agilent7700x)、XRF(波長分散型蛍光X 線分析装置、Rigaku, ZSX Primus II)を設置しました。また、化学実験室を改修し、新たにドラフトチャンバー(ヤマト科学 LDS-150VB)を設置しました。
機器調整後の機器分析室
機器調整後の化学実験室
2011年10月26日〜11月4日
日本における技術講習
FRC に設置した機器に関する技術指導と,前項「モンゴルにおける地質調査法指導」のアドバンスドインストラクションを目的に,モンゴル科学技術大学学生8 名と引率教員2 名を,10月26日から11月4日の間,日本に招聘しました.「モンゴルにおける地質調査法指導」では,野外でのデータ・試料採取の方法,大構造の考え方,地質図への表現の仕方など,「フィールドワークの方法論」を中心に実習を行いましたが,本実施講習では,野外にて採取した岩石試料の処理・分析の仕方など「室内実験・分析法」に主眼をおいて実施しました.
[左]講義の様子、 [右]岩石試料の薬品処理実習
2011年7月23日〜8月3日
モンゴルにおける地質調査法指導
7月23日から8月3日の間ウランバートル周辺地域において,モンゴル科学技術大学生を対象に,名古屋大学の教員が中心となり,地質調査法の実習を実施しました.地質調査法指導は,竹内 誠(名古屋大学),束田和弘(名古屋大学),桂田祐介(名古屋大学),Gonchigdorj Sersmaa(モンゴル科学技術大学),Sodnom Khishigsuren(モンゴル科学技術大学),Nuramkhaan Manchuk(モンゴル科学技術大学)が企画・実施しました.ウランバートル周辺には“石炭系”砕屑岩層が広く分布しており,多種多様の堆積構造を観察することができます.またこの地域の地層は非常に複雑な構造をなし,且つ花崗岩類や凝灰岩類,チャート,玄武岩類など多様な岩石種が分布するため,学生の実習地として非常に適しています.
日本からは名古屋大学の地質専攻大学院生も指導補助のために同行しました.調査実習では,教員,名大院生,モンゴル科学技術大学学生とで4 班を編成し,各斑で別々の地域の調査を担当しました.各斑にリーダーを置き,リーダーが斑を統括する形で行いました.調査実習終了後は,各斑担当地域の地質調査報告会を開催し,各担当地域の地質概要,岩相・層序,地質構造について20 分間の口頭発表を行いました.報告会にはモンゴル科学技術大学の教員も多く参加し,活発な質疑が行われました.
[左]調査前野外レクチャー(7/24)、 [右]報告会(8/3)
2011年7月3〜8日
リモートセンシングに関する集中講義
7月3日から7月8日の間,名古屋大学環境学研究科の山口靖教授がモンゴルを訪問し,モンゴルにおける鉱物資源探査技術者の育成に資する目的で,モンゴル科学技術大学にてリモートセンシングに関する集中講義を行いました.山口教授はリモートセンシングの世界的権威であり,JERS-1 とADEOS のリーダーを務めたほか,地球環境問題・資源問題解決への貢献を目指した日米合同地球観測計画「ASTERProject」の日本側責任者でもあります.また日本の金星探査プロジェクト「かぐや」にも深く関わっています.講義はリモートセンシングの基礎原理から環境・鉱物資源分野への適用,ASTER と他のセンサーの比較・応用,現在進行中のプロジェクトまで多岐にわたり,若手研究者・技術者を中心に37 名が受講しました.当日は平日でしたが,企業から多数の参加者が休暇を取ってまで参加しました.
[左]集中講義の様子、 [右]参加者記念撮影
2011年6月14〜18日
名古屋大学・富山大学・協定締結,FRC 専用ランドクルーザー贈呈
名古屋大学・濱口道成総長が、6月14日〜18日の間、モンゴルを訪問し、「モンゴル国における地質構造・鉱床成因・自然環境解析、人材育成および地質情報の基盤整備のための日本・モンゴル間の包括的な連携・協力に関する協力協定」の協定書調印式に出席しました。今回の協定は、経済産業省資源エネルギー庁からの支援を受け、政府・大学・産業界が連携して、人材育成をはじめとする新たな取り組みを介する為、本学とモンゴル科学技術大学、富山大学、株式会社ジオ・コミュニケーションズの4 者間で締結したものです。
16日、駐モンゴル日本国大使公邸を会場に行われた調印式には、城所卓雄モンゴル日本国特命全権大使、チュルテム・ウラン モンゴル国国会議員をはじめ、日本・モンゴル両国の政府・学術関係機関の関係者が出席し、濱口総長、遠藤俊郎富山大学長、ダムディンスレン モンゴル科学技術大学長、柳井修一(株)ジオ・コミュニケーションズ社長が協定書に署名しました。協定書締結後には、機動的な調査を実施する上で大きな戦力となる四輪駆動車(ランドクルーザー)1 台の贈呈に関する覚書が、吉田英一名古屋大学博物館長とオユン・デムチグ モンゴル科学技術大学地質・石油工学部長との間で取り交わされました。
2010年4月1日
名古屋大学フィールドリサーチセンター分室開設
4月1日、モンゴル科学技術大学内に、名古屋大学フィールドリサーチセンターの分室として「岩石加工室」,「化学実験室」,「微小領域解析室」が開設されました.開設式典にはダムディンスレンモンゴル科学技術大学長、ナランツェツェグ副学長、ダワースレン副学長、バトバヤル副学長、束田准教授、その他関係各位が臨席しました.これらの分室には岩石の化学組成を測定する機械や、岩石記載用カメラを搭載した顕微鏡、岩石切断機、各種顕微鏡などが設置されており、6.7倍から20000倍までの微小物質観察とそれらの化学組成分析が可能です。また岩石加工用機器によって、ここでは非常に硬い岩石を極薄片に加工することも可能です。開設には約915 万円の費用が投じられ、今後、様々の学部・分野の研究者に広く解放される予定です。
名古屋大学博物館束田准教授(左),モンゴル科学技術大学ダムディンスレン学長(右)
2009年9月4日
名古屋大学フィールドリサーチセンター開所
9月4日、モンゴル科学技術大学と大学間学術交流協定を締結するとともに、同大学内に名古屋大学フィールドリサーチセンターを開所致しました。
大学間学術交流協定の調印式は、城所卓雄 駐モンゴル日本国特命全権大使、オトゴンバヤル教育文化科学大臣の臨席のもと行われました。引き続きフィールドリサーチセンターの開所式が行われ、表札の披露、センターに設置された電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ Miniscope TM-1000)のデモストレーション等で、列席者がセンターの門出を祝いました。