野外観察園

HOME » 野外観察園 | 野外観察園の四季 » 12月 » 12月詳細

外観察園の四季 | 12月

 

フユノハナワラビ  Botrychium ternatum (Thunb.) Sw.  ハナヤスリ科

日本中の原野や山地の向陽地に生えるシダ植物。普通シダというと、葉の裏に細かい胞子のつぶつぶがたくさんついている葉を想像しますが、本種は葉と胞子が別々につきます。

夏の間は地上部は枯れてなくなり、夏の終わりごろになると細かく切れ込んだ葉を1枚だけ出します。その後、葉の地際近くから枝分かれして胞子葉を立ち上げます。葉にも胞子葉にも毛はありません。高さは15〜25cmで、胞子葉の先端は枝分かれして、直径1mmほどの球形の胞子のうがたくさんつきます。冬にかけて胞子が成熟し、茶色くなった胞子のうが2つに割れて白い胞子が風に乗って散布されます。

大学内では観察園のほかにもわずかに生育が確認されています。

2015.12


フユノハナワラビ

胞子のうの拡大