野外観察園
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野外観察園の四季 | 6月
イトラン Yucca flaccida Haw. リュウゼツラン科
アメリカ南部が原産の常緑の低木。耐寒性があるので庭園に利用されています。ユッカ属の植物は観葉植物として鉢植えでもよく利用されます。本種は幹が極めて短く、地際から放射状に葉を出しているように見えます。長さ30〜50pの長い剣のような葉のふちからは、ねじれた繊維が糸状に出ており、これが名前の由来です。葉はやや白く粉がかかったような色をしていて、先はとがり痛いです。6月に花茎を立ち上げ、1〜1.5mほどになり、白い釣鐘状の花を円すい状につけます。
ユッカ属の仲間はユッカ蛾という蛾が花粉の媒介を行うことで果実を作ります。花の中にユッカ蛾の産卵場所と幼虫の生育場所を与える代わりに受粉をしてもらっているのです。残念ながら日本にはユッカ蛾がいないのでこの様子を見ることはできません。ふやす時は株分けしたり、挿し木を行います。
2015.6