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外観察園の四季 | 10月

 

ナンバンギセルAeginetia indica L. var. gracilis Nakaiハマウツボ科

日本各地に分布しています。寄生植物で、ススキ、ミョウガ、サトウキビなどの根に寄生します。花の形が西洋のパイプ(マドロスパイプ)に似ているのでこの名前がつきました。別名は「思ひ草」で、万葉集などで「思ひ草」と詠われたのはこの植物だといわれています(「道の辺の をばなが下の思ひ草 いまさらさらに 何をか思はむ」万葉集より。「をばな」とはススキのこと)。
植物はふつう自分の葉で光合成しますが、ナンバンギセルなどの寄生植物はほかの植物の根などから養分を取って生きています。ナンバンギセルが属しているハマウツボ科の植物は、その多くが寄生植物です。ハマウツボ科の多くは、全栄養を宿主(寄生される側)から取る「全寄生植物」ですが、ヤドリギなどは自分でも光合成を行なう半寄生植物です。

2012.10

紫色のナンバンギセルの花。観察園ではススキの鉢から生えてきました。
紫色のナンバンギセルの花。観察園ではススキの鉢から生えてきました。