野外観察園
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野外観察園の四季 | 10月
トラノオスズカケ Veronicastrum axillare (Siebold et Zucc.) T.Yamaz オオバコ科
山の木陰に生える多年草。四国・中国・九州地方に多く、暖かい地方の植物と思われます。山伏の衣装の「鈴懸」に見立ててこの名がついたと言われます。茎は長く、たわんで垂れ下がるようにのび、地面についた茎から根を出します。茎はやや角ばり、ぎざぎざのある、卵型で先がとがった葉を互い違いにつけます。葉や茎には毛がありません。花は秋で、葉のわきから赤紫色で穂のような花を咲かせます。長さ5〜6mmの筒状の小さな花が集まり、4pほどの穂になります。2本のおしべと1本の針のようなめしべが花びらから飛び出しています。東京、国立科学博物館附属自然教育園にもトラノオスズカケがありますが、この地はもと高松藩の下屋敷であり、当時平賀源内が移植したのではないかと牧野富太郎が推論しています。
2016.10