研究内容
西アジア地域での遺跡調査
Archaeological fieldwork in west Asia
以下の3カ国でこれまで遺跡調査を行ってきました。現在は、コーカサス地方のアゼルバイジャン共和国で古代農村遺跡(ハッジ・エラムハンル・テペ)の発掘調査を行っています。いずれの調査も、現地の古物局(文化庁に相当する政府機関)の許可を得て、国内外の様々な研究機関と共同で行っています。
1. アゼルバイジャン(コーカサス地方):2008年から継続中
- 新石器時代の古代農村(ハッジ・エラムハンル・テペ、ギョイテペ)
最近の調査内容はPDFを参照してください。
この調査成果を用いて、農業起源の考古学研究を行っています。
具体的の下記の研究を進めています。
1. 農耕牧畜の拡散プロセスの解明
2. 狩猟の衰退と農耕の発達を道具でたどる―穀物収穫具と製粉具
3. 家畜ヤギの西アジア起源説の検討―古代DNAの系統解析
4. 穀物貯蔵の直接的証拠の検出―植物遺存体と土壌微細形態
5. 古代の農家と農村の発達と再編成をたどる―建築物と活動場
2. ヨルダン:2000年~2006年、2009年、2016年~継続中
- 旧石器時代の狩猟採集民のキャンプと墓地(ウユン・ハンマーム)
- 新石器時代の古代農村(ジクラブ渓谷、アイン・アブ・ネケイレ、ドゥラー、バジャー)
- 旧石器時代の岩陰遺跡群
ヨルダン南部のカルハ山一帯に残る旧石器時代遺跡の調査を2016年から行っています。西アジアに拡散・定着したホモ・サピエンスが、約5万~4万年前に文化イノベーションを起こした遺跡群です。
» 調査の紹介記事
3. シリア:1997年、1999年、2007年~2011年
- 旧石器時代の狩猟採集民のキャンプ跡(ワディ・ハラール遺跡群)
- 新石器時代の古代農村(セクル・アル・アヘイマル)
- 銅石器時代の古代農村と土器工房(コサック・シャマリ)
▲門脇が西アジアで調査した遺跡(★印は現在進行中の調査)
アゼルバイジャン(コーカサス地方)の古代農村(約7500年前)の発掘風景
泥レンガ壁の円形住居が同じ場所に何度も建てかえられた結果、人工の丘として遺跡が残されています。堆積物の内容と層序を丁寧に記録しながら、建築物の分布や構造を記録し、石器や土器、動物骨などの遺物を収集します。
アゼルバイジャンでの遺跡調査メンバー
アゼルバイジャン科学アカデミーのファルハド・キリエフ博士と東京大学総合研究博物館の西秋良宏教授と共同して、現地調査を2008年から行っています。