博物館概要

HOME » 博物館概要 | 職員 » 苗村 康輔

苗村 康輔 / NAEMURA, Kosuke

■専門
  • 高圧変成岩、マントル物質の岩石学
■研究内容

衝突型造山帯には、地殻を構成した花崗岩や玄武岩が深さ50 km 以深に沈み込みふたたび浮上した「高圧変成岩」が産します。高圧変成岩を観察することで、掘削では到達することができない地殻深部〜上部マントルの物質科学的情報を得ることができます。これまで欧州ヴァリスカン造山帯に産するマントルウェッジ由来のざくろ石かんらん岩を研究し、対流運動の様式およびメルト組成の復元を行ってきました。名古屋大学博物館ではモンゴル国に長期滞在し、本年度からアルタイ山脈に産する高圧変成岩類(エクロジャイト)の研究を本格的に行います。

 2015年度の調査予定地域は:
(1)中央アジア造山帯最古の岩石(26億年前)が見られるバイドラッグ地塊の調査
(2)モンゴル・アルタイ山脈での高圧変成岩の探索を目的とした野外調査

 たとえば、バイドラッグ地塊では太古代の花崗岩中に上部マントル由来のかんらん岩が見られます。このように形成場が全く異なる岩石同士がどのように合体したのかを調べることで、地球内部で生じたマントル対流や地殻物質の沈み込みの動きを明らかにすることが研究の目標です。
この他にも専門性に囚われずモンゴル側で需要の高い研究分野である鉱床関係の研究について、昨年度からモンゴル科学技術大学の学生と開始した稀土類鉱床(ムシガイ・ホダグ鉱床)の研究を継続していきたいと思います。

■所属学会
  • 岩石鉱物科学会
  • 日本地球惑星科学連合