人間環境大学

フィールド生態学科

生態系機能評価領域

この領域では、人間社会を支える生態系機能のしくみについて深く学びます

生態系機能が健全に発揮されることで、我々は自然から恵みを得ています。その仕組み、森林や河川、海など各地での違い、汚染を始めとする人為的な影響の評価について、室内実験から流域調査に至る多様な方法を通して理解します。

代表的な科目: 生態系の機能と社会 、環境化学の基礎、生態系における物質循環 、流域環境学 、環境アセスメント論 、生態系機能評価学

この領域の教員

藤井芳一

担当科目
生態系の機能と社会
生態系機能評価学
生態系機能評価実験

自然環境の礎である土壌機能を
生態学的に解明する

土壌は、作物生産や森林の成立・維持等に関与する、様々な生態系サービスの根源です。つまり、土壌が健全に機能していないと、自然環境全体が不健康になります。土壌の状態を把握し、管理に活かす方法を実験等から一緒に考えていきましょう。

神本祐樹

担当科目
生態系における物質循環
環境化学の基礎
流域環境学

水と生態系の関係を考える

地球上の多くの物質は水によって移動し、それによって多くの生物がその物質に触れます。その物質が益になるか害をなすのかなどについて、流域圏全体の視点からの適切な評価とその対策を皆さんとともに考えます。

この領域で履修できる科目紹介

生態系における物質循環 1年次
自然環境や生物に配慮した人間活動を物質のふるまいから考える
人間活動は自然環境や生物に多くの影響を及ぼしてきました。環境問題を事例として森林や河川の生態系における様々な物質のふるまいについて学びます。
環境化学実験 2年次
野外調査・化学実験を通じて
環境試料の調査手法を学ぶ
 土壌や環境水などの試料採取を行う野外調査をはじめ、実験室での器具や機器の操作・測定方法、実験から結論を導くまでの一連のプロセスを学びます。
生態系機能評価学 3年次
自然環境の健康診断はどのように実施して評価すべきかを考える
生物と物理化学的環境の相互作用による自然環境の仕組みとしての生態系機能の把握や評価の方法について『生態系機能評価実験』と合わせて理解を深めます。

生態系機能評価領域で卒業研究に取り組む学生の一日 ~調査編~

右のサムネイルを番号順にクリックしてください。画像と説明文が切り替わります。

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生態系機能評価領域で卒業研究に取り組む学生の一日 ~実験編~

右のサムネイルを番号順にクリックしてください。画像と説明文が切り替わります。

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実習で使用する測定機器(クリックすると説明が表示されます)

  • 全窒素・全炭素分析装置
  • 全有機体炭素計
  • 自動連続流れ分析装置
  • 分光光度計
  • 蛍光分光光度計
  • イオンクロマトグラフ
  • 原子吸光分析装置
  • 誘導結合プラズマ発光分光分析装置
  • 高速液体クロマトグラフ
  • マイクロプレートリーダー
  • 粒子径分布測定装置
  • 凍結乾燥機
  • 遠心分離機
  • インキュベーター

全窒素・全炭素分析装置

農作物や土壌に含まれる炭素と窒素を測定できます。
炭素と窒素の含有量を測定することで、農作物や土壌に含まれる有機物量を知ることができます。
土壌の肥沃度、植物体や土壌有機物の組成などを知るために使用します。

全有機体炭素計

環境水に溶けている有機物中の炭素を測定できます。
微生物の栄養源になる溶存有機炭素、環境水中の化学反応に重要な炭酸水素イオン(無機態炭素として)濃度を測定できます。
全有機態炭素は水質汚濁の指標として世界的に用いられています。

自動連続流れ分析装置

水中の無機態窒素、リン酸を測定できます。植物の三大栄養素のうちの2つ、窒素とリンについて、土壌水中等に溶けている主要な形態別に測定する際に使用します。
富栄養化の原因となる元素でもあるため、河川水中濃度を知ることも重要です。

分光光度計

前処理をした溶液中の対象物質の濃度を測定できます。
溶液中に存在する物質の光吸収の特徴を利用してケイ酸、リン酸、土壌酵素活性など、広い用途で使用します。
ただし、適切な前処理が必要であるため、他の測定機器に比べてより化学的な知識を要することもあります。

蛍光分光光度計

前処理をした溶液中の対象物質の濃度を測定できます。
溶液中に存在する物質の光吸収後の発光の特徴を利用して、アルミニウムや葉緑素(クロロフィルa)など、広い用途で使用します。 ただし、分光光度計の使用時と同様に、適切な前処理が必要です。

イオンクロマトグラフ

環境水に溶けている主要なイオンを測定できます。
主要な陽イオン、陰イオンの測定に使用します。
同時に数種類のイオンの測定ができるため、水中に存在するイオンを比較したり、バランスを検討したりする際に重宝します。

原子吸光分析装置

水中のカリウムなどのミネラルを簡易に測定できます。
基本的には単一の元素を測定します。誘導結合プラズマ発光分光分析装置に比べて、短時間、少量の試料、低費用で測定が可能なので、測定元素が限られている時にはこの原子吸光分析装置を用います。

誘導結合プラズマ発光分光分析装置

水中の多種類のミネラルを一斉に測定できます。重金属類をはじめとする70程度の元素の同時測定が可能です。
土壌水、渓流水、雨水、排水などに溶けている多種元素の分析に使用します。
水を介した物質循環や、肥料の成分等に関する研究を行う際に活躍します。

高速液体クロマトグラフ(HPLC)

河川湖沼などの環境水を始めとして、溶液中の農薬等を含めた有機物等、構成や設定を変更することで幅広い分析対象に対して定量・定性分析ができます。イオンクロマトグラフも、HPLCの一種です。

マイクロプレートリーダー

分光光度計や蛍光分光光度計と原理は同様であり、96穴のマイクロプレートにおける吸光度等の測定が可能です。試薬の種類や波長の変更等によって、細胞の増殖率、タンパク質や養分の定量、対象試料中の微生物の特徴等の評価が可能です。多数の試料の測定が必要な際に活躍します。

粒子径分布測定装置

粉体試料における、一つ一つの粒子の直径のバラつきや含有率などを調べる際に使用します。本学では主に土壌試料を対象とし、土壌の性質を決定づける重要な要素である粒径組成を知るために用いています。

凍結乾燥機

植物体や動物体内における物質の含有量を知るためには、試料を乾燥させて酸などで分解をして測定を行います。熱で乾燥させる方法もありますが、組織の変性をきたすことが多いため、必要に応じて凍結乾燥を行うことで、変性を最小限度に留めます。

遠心分離機

遠心力を用いて土壌粒子等を沈殿させ、土壌抽出成分を分離させること等に使用します。その他、化学反応や溶液の比重の違いを利用して、2つの成分を分離させる際、その分離速度を速めたり、収率を高めたりするために当機器を使用することもあります。

インキュベーター

温度を一定に保ち、藻類やミジンコ、土壌動物などの飼育・培養に使用します。室内実験において、一定の環境条件を保つ必要がある時などにおいても使用します。生物の生息やその活動によって水質や土壌の性質がどのように変化するのかを調べたり、生物に対する毒性物質の影響などを調べたりする際にも必須です。

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